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●「無知の知が決め手!?都立入試」●
次の問題は平成19年度の都立高校入試問題よりの抜粋です。読んで答えをだしてみてください。解答時間は最高で2分30秒です。都立高校の入試で求められるのが何か、の一端がわかると思います。
【問3】(3)江戸時代になると、諸産業が発達するなかで、工芸品の製作技術
はさらに進歩し、彩色された磁器や蒔絵をほどこした漆器などは、海外へ輸出
された。とあるが、次の文章は、江戸時代に生産が盛んであった陶磁器につい
て述べたものである。これらの陶磁器が生産された地域は、下のア~エのうち
のどれか。
唐津焼は、16世紀の終わりごろから生産がはじめら れたとされ、江戸時代中期には大量に生産されるよう になり、わが国を代表する陶器の一つとなった。 有田(伊万里)焼は、17世紀の初めころから生産が始 められた磁器で、近くにあるわが国唯一の貿易港か ら輸出され、なかでも白地に華やかな模様が描かれ た製品は、海外でも評判をよんだ。 |
ア 薩摩
さつま
(鹿児島県)
イ 備前
びぜん
(岡山県)
ウ 肥前
ひぜん
(佐賀県、長崎県)
エ 加賀(石川県)
こちらの問題は全20問中の1問で配点が5点です。
試験時間は50分ですので単純計算で2分半。ただし、この問いは情報量(表やグラフ、文など)が問題のなかでは少なめなので最大でも1分30秒前後が適切な解答時間と思われます。ちなみに解答はウの肥前です。
都立入試で問われているのは、知識の前に
「文章、表などの情報を読み続ける力」
と
「それらの情報の取捨選択力(ポイント発見力)」
の2つです。
「文章や表を読むのは当たり前ではないか」とお考えの方も多いでしょうが、なかなかどうして当たり前とはいえません。
上の問題は解答の選択肢が単語で、しかも問題文を含めた情報量も少ないタイプですが、それでもきちんと全体を読まないお子さんもけっこういます。
原因としては、
「ふだんから活字を読む習慣がないために文の長短に関わらず読むことを面倒に感じてしまうケース」
と
「陶器、唐津焼、有田焼という用語をみて、これは知らないことだから読んでもしょうがないと判断するケース」
の2つがほとんどのようです。
<読まない子はどうすればいい?>
前者の場合は、長期的には読書を含めた活字の経験を増やすのが一番です
が、短期的には「文が長いということはヒントがたくさんある」というように発想
の転換をしてもらい、読むというか「ポイントとなる情報を探す」ことに注力して
もらいます。
後者の場合は、表や文から自分の知識に反応するところを探すことと、知らな
いことが出てきてもそれは知らなくても問題が解けるということ、そしてどこか
に必ずヒントがあること、こうした視点で問題を解くことにエネルギーを注いで
もらいます。つまり、大げさにいうとソクラテスの「無知の知」、知らない部分を自
覚すること、そしてその上で知っていることやそこから読み取れることで問題を
解いていけばいいということです。
ちなみに上記の問題では、
「江戸時代」「近くにあるわが国唯一の貿易港」
がポイントです。
知識部分は、
江戸時代⇒鎖国⇒出島だけで中国・オランダと貿易⇒出島は長崎県
となり、それでウとなります。
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